論文・寄稿
合同会社シーエフオーズでは、社外役員・非常勤監査役、ガバナンス整備、内部統制高度化、会計論点整理、決算基盤整備に関する実務知見を、経営者・役員・管理部門・投資家関係者の皆さまに向けて発信しています。
制度の説明にとどまらず、成長企業が実際にどこでつまずき、どのように立て直すべきかを、経営の視点から整理しています。
最新論考
SSRN掲載・最新論文
AIが「答える」だけでなく「行動する」時代へ
英文表題:
When AI Starts Acting:
Governance, Audit Evidence, and Accountability for Agentic Systems
生成AIは、文章を作成したり質問に答えたりするだけのツールから、 ツールを選び、記録を変更し、取引を開始し、コンテンツを公開するなど、 実際に業務を「実行する」存在へ変わりつつあります。
こうした自律型AI(Agentic AI)の普及に伴い、企業に求められるのは、 単に「人間が確認する」「ログを残す」といった形式的な対応ではありません。 AIにどこまで権限を与えるのか、統制が実際に機能したことを何によって確認するのか、 問題が生じた際に誰が介入し、どのように説明責任を果たすのかという、 ガバナンスそのものの再設計が必要になります。
本論文では、財務諸表監査、内部統制、内部監査、不正会計調査、 M&Aデューデリジェンスなどで蓄積されてきた知見と、 最新のAIガバナンス研究を統合しています。
特に、AIに与える権限の範囲、監査に耐え得る証拠の信頼性、 統制が迂回されるリスク、AIによるAIレビューの限界、 人間の専門能力を維持する必要性、独立した牽制、 問題発生時の回復可能性を一体として検討しています。
本論文の中心的な考え方は、AIの自律性と強いガバナンスは 必ずしも対立しないという点にあります。 すべての処理に人間の承認を入れるのではなく、 AIに任せる範囲を明確にし、重要な行為について信頼できる証拠を残し、 必要なときに人間が介入できる仕組みを整えることが重要です。
仕事をAIに任せることはできます。
しかし、その結果に対する説明責任までAIに任せることはできません。
Author: Kiyotaka Shimomura
Affiliation: CFOs LLC
SSRN Abstract ID: 7339582
DOI: 10.2139/ssrn.7339582
最新公開
生成AI規制が日本企業の経営・内部統制に与える影響
EU AI Act、日本国内ガイドライン、取締役会・監査役・内部監査部門が押さえるべき論点を整理し、生成AIガバナンス対応の実務上の課題と経営判断への影響を解説しています。
最新公開
不正会計事案の比較研究
英文表題:
A Comparative Study of Accounting Fraud Cases:
Common Structures, Divergent Patterns, and the Redesign of Governance and Internal Control for Recurrence Prevention
近年の不正会計事案を比較し、その共通構造、相違点、ならびに再発防止に有効なガバナンスと内部統制のあり方を検討した論考です。不正会計を単なる会計処理の逸脱としてではなく、経営設計、情報伝達、監督機能、組織行動の歪みが表出した結果として捉え直し、企業が平時から備えるべき統治・管理の要諦を整理しています。和文版は当社サイトで、英語版はSSRNで公開しています。
申請中論文
SSRN申請準備中
非常勤監査役は、何をもって「機能している」と評価されるのか
正式表題:
非常勤監査役は、何をもって「機能している」と評価されるのか
――成長企業における監査役監督・監査の実効性設計
英文表題:
How Can Part-Time Audit & Supervisory Board Members Function Effectively in Growth Companies?
Governance Design, Information Escalation, and Monitoring Effectiveness in Japan
成長企業および上場準備企業における非常勤監査役の実効性を、法令上の職務列挙や形式的独立性ではなく、経営監督の設計問題として捉え直した論考です。監査役の定義と職責、監査役(会)設置会社と監査等委員会設置会社の基本的差異を整理したうえで、非常勤監査役が制度上どこに位置付き、実務上どのような機能を果たすべきかを論じています。あわせて、月次決算の遅れ、見積りの楽観化、非定型案件の膨張、会議体の形式化、組織沈黙といった成長企業特有の歪みを踏まえ、非常勤監査役の実効性がどのような条件のもとで発揮されるのかを検討しています。
主要論考
SSRN掲載済み
White paper: Why Internal Control Fails in Growth Companies Despite Formal Design
正式表題:
Why Internal Control Fails in Growth Companies Despite Formal Design:
Governance Breakdowns in IPO Preparation, Post-M&A Integration, and the Nidec Case
先行論文「成長企業において、内部統制はなぜ『整備しても機能しない』のか」にニデック不正会計事案の検討を追加した英語論文です。IPO準備、M&A後の統合、ニデック事案を素材に分析し、形式的な統制整備ではなく、権限、情報、責任、監督の設計が実際の事業運営と整合しているかという観点から、実効性あるガバナンスの条件を論じています。
成長企業では、なぜ内部統制が整備しても機能しないのか
正式表題:
成長企業において、内部統制はなぜ「整備しても機能しない」のか
――上場準備・M&A局面に共通するガバナンス設計の盲点
成長企業、とりわけ上場準備企業やM&A当事企業では、規程や会議体を整えても、内部統制が実際には機能しないことが少なくありません。本論考では、その原因を単なる制度不足としてではなく、経営設計、意思決定、権限配分、月次管理、監督機能の分断として捉え、成長企業に必要な実効性あるガバナンスの原理を整理しています。
ご相談について
論考をお読みいただいたうえで、AIガバナンス、内部統制、監査体制その他の経営管理上の課題を、貴社の現状に引きつけて整理したい場合は、以下よりご相談ください。
